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日々読書メモ

大学で受けた授業をきっかけに太宰治を好きになりました。最近はもっぱら太宰です。自分が読んだ本の紹介(ネタバレ有)、感想、考察等書いてます。もちろん太宰以外でも書きますよ(^^)京都が好きなのでそれについても書いてます。

ユリ熊嵐個人的考察まとめ

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ユリ熊嵐本当に大好きでもう何回観てるかわからないくらい観てるんですが今の時点で気づいてる考察をまとめてみました!

 

あくまで個人の考察なのでその辺はご了承ください!

 

用語説明

  • スキ=誰かへの愛。
  • キス=誰かからの愛。→蜂蜜はキスを具現化したもの?
  • るるの周りに飛んでた蜂=自己防衛。自己の領域。
  • 約束のキス=愛による自己犠牲、自己変化。
  • 罪=傲慢→紅羽の罪は銀子に自分のスキのために変化を望んだこと(自ら変化しようとはしなかった)。銀子の罪は自分のスキのために泉乃純花を見殺しにしたこと(ロリ紅羽と別れてから繰り返し言ってる「私は罪ぐまだ」はスキのためにクマ世界の群れから外れたことを意味するのでここでの「罪」は意味が異なる?)
  • 透明な嵐=同調圧力
  • 悪=ルールに従わない者。群れに入らない者。
  • 排除の儀=「悪」を多数決で決め同調圧力によってその「悪」を倒すための儀式。
  • 断絶の壁=社会的な圧力。
  • 人と熊=異なる者同士の象徴(文化や人種など?)
  • 鏡=自己犠牲の象徴。→スキが本物と証明するためには鏡に映る己を傷つけることになる(自ら変化する)。愛が本物か試される。
  • クマリア=愛そのもの?
  • 裁判官=クマリアのかけら。「スキ」が本物か試す役割。

 

考察

この話は同調圧力に屈せず己が変化することで愛を貫く『現代の神話』」だと思います。

 

銀子は群れから排除され自分はいらない存在だと思った時に紅羽に出会い、彼女を愛しました。

 

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しかし、「一人ぼっちじゃない、特別な存在」と気づかせてくれた紅羽は銀子がヒトの社会では異質なクマであるため、同調圧力により傷つけられてしまいます。

 

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それを目の当たりにした銀子は「自分がクマだから紅羽は傷ついた」と思い、紅羽のためにヒトになることを願います。その願いと引き換えに紅羽は銀子の事を忘れてしまいますが、銀子は紅羽に貰った「スキ」を返し、「約束のキス」を果たして、今度こそ二人が堂々と共にいられるようになるため、長い年月の後、再び紅羽に会いに行きます。

 

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一方紅羽は銀子のことは忘れ、泉乃純花にその「スキ」を与えていました。純花を亡くしても頑なに「スキ」を諦めない紅羽。そんな群れのルールに従わない異質な紅羽は透明な嵐に狙われる存在となります。紅羽が透明な嵐に巻き込まれないために、銀子とるるは陰ながら紅羽を守ります。純花を忘れられずなかなか心を開かなかった紅羽も、銀子、るると関わっていくうちに少しずつ打ち解け、同時に過去の記憶も少しずつ蘇ってきます。

 

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ここで絵本の話とそれが持つ意味についても少し話しておきますね。

紅羽の母澪亜が残した絵本には、「月の娘」と「森の娘」という異なる世界の二人が鏡に映る己が身を引き裂き、砕いて、「本物のスキ」を証明し、「スキの星」に導かれる物語が描かれています。

紅羽はこの話を純花にしており、その時に自分は「本物のスキ」を証明するために自らを傷つけることも厭わないと発言しています。これにより純花も紅羽に対して「本物のスキ」を誓います。(また、11話、12話では、銀子と紅羽の二人がそれぞれ鏡に映る自分自身を傷つけ「本物のスキ」を証明しています。)

 

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これは紅羽が純花の存在によって「本物のスキ」とはどういう事なのかを知ったということがわかります。

 ここがとっても重要なんですよね。

…話を戻して、

ヒトに紛れたクマだとバレた銀子は、透明な嵐によって裁かれようとしています。しかし、それを見ていた紅羽は思い出しました。銀子がヒトになりたいと願う前に、紅羽が己の「スキ」のために銀子をヒトにしようとしたことを。

 

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幼かった紅羽は自分が傷つけられるのは「銀子が皆と違うクマだから」と思い、「大好きな銀子と一緒にいたい」という「自分勝手なスキ」を叶えるため、銀子に変化を望んだのです。しかし、「本物のスキ」は愛のために相手を変えることではなく愛のために自らが変わることです。つまり、愛のために銀子に変化を願った紅羽は傲慢の罪を犯したということになります。

全てを思い出した紅羽は自らの罪を悔い改め、純花から教えてもらった「本物のスキ」を叶えるために、自らがクマとなることをクマリア様に願い、「約束のキス」を果たします。

 

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ここで出てくるクマリア様は泉乃純花です。これには色々意見があると思うのですが、私は純花本人だと考えています。

愛の象徴であるクマリア様は、「本物のスキ」を分かっていなかった紅羽に、泉乃純花となりそれが何かを気づかせる役割を果たしていたのだと思います。恐らくヒトの泉乃純花は自身がクマリアであるという自覚は無かったと思いますが、絵本でのナレーションや、度々出てきたクマリア様の言葉である「あなたのスキは、本物?」という問いかけの声が同じことからもそういう意味が込められてるのではないのかな、と思いました。

 

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晴れて「約束のキス」を果たしクマとなり結ばれた銀子と紅羽。しかし、それを見ていた人達は、人間社会において害悪なクマ(悪)を排除します。つまり二人はやっと結ばれたのに殺されてしまったわけですね。

 

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場面は変わり、見事「悪」を排除した人間たちは、再び団結力を高めるため、次の「悪」を決める排除の儀を行います。しかし、一人の少女がそこから立ち去りました。この少女(愛撃子)は銀子と紅羽の姿を見て、心に変化を抱きます。対クマ用兵器として改造された百合川このみ(クマ)が捨てられた場所に赴き、「見つけたよ」と一言、優しく微笑んでこの物語は幕を閉じます(若干まだ続きますが…)。

 

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これでは結局銀子と紅羽が死んじゃってバットエンドじゃん!って思う方もいるかもしれませんが、二人は排除された後、絵本のとおり「スキの星」に導かれ、ヒトもクマも超えた世界に旅立つのです。つまり、二人は死によってしがらみの無い世界で永遠の愛を誓い合ったのです。誰かの心に小さな変化を残して。正に美しい現代の神話といったところでしょうか。

 

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この話何が最高かってるるの弟であるみるん王子の最後の一言がこの物語の全てをまとめてるところなんですよね。

るるの愛を求めたみるんは、るるに何度も「キス」を強請ります。しかしるるはみるんからの「愛」を受け入れることが怖くて何度も拒絶してしまいます。そしてみるんはとうとう帰らぬ人(クマ)に。それを悔いて、自分が成しえなかったことを銀子に叶えてもらうため、他人に自己実現を求める「傲慢」の罪を犯し、「キス」を諦めて銀子を、「スキ」になり、銀子の紅羽への「スキ」を叶えようとします。そんなるるは銀子を庇って死んでしまうのですが、「スキがキスになる場所」でみるん王子と再開します。最後は絵本で銀子と紅羽の物語をみるんに読み聞かせており、この時もう二人の記憶はなくなっているのか、それは定かではありませんがその物語を聞いたみるんがるるにキスをして言ったのがこの一言。

 

「ぼく、ひとつわかったことがあるよ。約束のキス、僕からすればよかったんだ!」

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そうなんです!この物語はその一言に尽きるんです!

愛を得るためにはまず自分から愛することをしなくてはならない。相手に変化を求めるのではなくまず自分から変わらなければいけない。

それがこの物語の主題だと思うのですが、本当に最後この一言出た時は「す、すげえ…この物語一言でまとめやがった…」って思いました…。

 

とにかく『ユリ熊嵐』は観る度に新たな発見がありとても美しく素晴らしいお話になっているのでこの作品に出会えて本当に良かったと思います!

私の考察はまだまだ未熟なところがありますがこの作品の理解の手助けになれたら嬉しいです!

 

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