日々読書メモ

大学で受けた授業をきっかけに太宰治を好きになりました。最近はもっぱら太宰です。自分が読んだ本の紹介(ネタバレ有)、感想、考察等書いてます。もちろん太宰以外でも書きますよ(^^)京都が好きなのでそれについても書いてます。

「夜にあやまってくれ」を読んでみた

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悲しいと言ってしまえばそれまでの夜なら夜にあやまってくれ

 

今日蔦谷書店に行ったんですが、入口入ってすぐ、一番人目がつく場所にズラーッ

「夜にあやまってくれ」というタイトルが並んでいました。

 

そのインパクトあるタイトルに惹かれて手に取ってパラパラ〜と読んでみると、なんと

短歌集だったのです。

 

短歌ってあんまり興味なくて今までちゃんと読んだことなかったのですが、

これが読んだら面白い。

 

今若い人たちによる現代短歌が流行っているらしく、若い世代を中心とした短歌集が沢山売られていました。

 

「夜にあやまってくれ」もそのうちの一つです。

 

ここでは私が印象に残った歌をいくつか感想も交えて紹介したいと思います。

 

旗を振るように花束を青空へ差してまた君に出逢える夏だ

 

私は四季の中で夏が一番好きなのですが、この歌は真っ青な空と白い入道雲、そして下から見上げるひまわりが頭に浮かびました。

 

夏が来る楽しみが「君に出逢える」という表現から伝わってきて気持ちがいい歌だな〜と思いました。

 

何が悲しいってこれを初恋と呼んだら君が笑うってこと

 

これは自由律ですね。

自由律なので、そっと誰かが呟いたような印象を受けます。

歌詞みたいですね。

 

自分の「君」に対する想いが、本当の意味では届いてない。きっと一生届かない。そんな悲しくて切ないドラマがこの三十一字から伺えます。

 

自転車の後ろに乗ってこの街の右側だけを知っていた夏

 

私はこの歌がこの歌集の中で一番好きです。何故だかとても印象に残りました。

前述した通り私は夏が一番好きです。夏っていろいろな感情を感じることができる季節だと思うんですよね。暑いからクーラー効きすぎて寒いとか、青春も漢字は青い春と書きますが夏のイメージが強いです。イベントが多いのも理由の一つになりますね。

とにかく日本の夏という季節はとても良い季節だな〜と思うんです。そしてこの歌はとても夏の青春って感じがしたのです。

頭に思い浮かんだのは制服を着た二人の男女。自転車に二人乗りして少女は少年の背に頬をつけ、右側だけを眺めてる。右側は以外は見えないし、見ようとも思わなかった。一方向しか見れなかった。そんな若さを振り返っているような、二度と戻れない時間を振り返るような、そんな切ない気持ちを思い起こさせます。

 

どの歌もそうですが、やはり短歌の凄いところは、たった三十一字で私たちの想像を限りなく掻き立てるということです。

これって簡単なことではないと思うんです。三十一字の制限の中で言葉を選び相手の想像を拡げなければならない。

勿論解釈は人それぞれ自由ですが、少なからず伝えたいニュアンスというものが作者にもあると思います。それを如何に読者に伝えるか、どの言葉を使えばそれが効果的に伝わるか。これは文学だけではなく、コミュニケーションにおいてもとても大事なことですよね。

相手に自分の一番言いたいことを効果的に伝えて初めてコミュニケーションは成立します。

相手の心に響く言葉を自分で探さないといけません。

そういう意味では短歌はコミュニケーションの勉強になるかもしれませんね。

私も少し挑戦してみたいな〜と思いました(^^)

 

「夜にあやまってくれ」以外にも沢山現代短歌集が出ているので、是非自分のお気に入りの一冊を見つけて欲しいな〜と思います。

自分の感情に当てはまる歌を見つけると少し気分が弾みます。そういう楽しみ方もできるんじゃないんでしょうか(^^)