日々読書メモ

大学で受けた授業をきっかけに太宰治を好きになりました。最近はもっぱら太宰です。自分が読んだ本の紹介(ネタバレ有)、感想、考察等書いてます。もちろん太宰以外でも書きますよ(^^)京都が好きなのでそれについても書いてます。

「美少女」を読んでみた

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今日は太宰治の「美少女」の感想を書きたいと思います!

 

これもめっちゃ短いお話です。

最近短い話続きですね…。

さっと読めるから楽なんです…。

 

この「美少女」のあらすじは…

 

と家内が温泉にでかけたとき、ひと組の老夫婦と、一人の美少女に出会う。私はその美少女のすべてに目を奪われてしまった…。

 

と、こんな感じです。

 

この前太宰治の特集雑誌みたいなのを立ち読みしてたのですが、「美少女」という作品は実際太宰が出会った美しい少女を元に書かれたとあった気がします。

 

そのとき「へ〜、やっぱり芸術家って美しいものを見てインシュピレーション(よくわかってない)を受けるもんなんかな〜」って思ったのを覚えています。

 

当然ながらこの美少女の描写があるのですが、それが

 

なんかエロい。

 

 

少女は、きつい顔をしていた。一重瞼の三白眼で、眼尻がきりっと上っている。鼻は尋常で、唇は少し厚く、笑うと上唇がきゅっとまくれあがる。野性のものの感じである。髪は、うしろにたばねて、毛は少いほうの様である。

 

とまぁ、このへんはまだいいんですが…

 

すらと立ちあがったとき、私は思わず眼を見張った。息が、つまるような気がした。素晴らしく大きい少女である。五尺二寸もあるのではないかと思われた。見事なのである。コーヒー茶碗一ぱいになるくらいのゆたかな乳房、なめらかなおなか、ぴちっと固くしまった四肢、ちっとも恥じずに両手をぶらぶらさせて私の眼の前を通る。可愛いすきとおるほど白い小さい手であった。

 

なんなんやこのエロさ…。

正直太宰作品であんまりエロさって感じたことないんですがこれはビックリしました。

 

また描写のしかたが流石上手なので その少女の像がしっかり頭に思い浮かべることができました…。

 

あと、ここ。

 

私が永いことそのからだを直視していても、平気である。

 

いや、直視するな笑

 

「私」と家内はそこにいた老夫婦と少女と少し話すことになるのですが、どうも「私」は、

 

私は不幸なことには、気楽に他人と世間話など、どうしてもできないたちなので、もし今から、この老爺に何かと話を仕掛けられたら、どうしようと恐ろしく、いよいよこれは、とんでもないことになったと、少しも早くここを逃げ出したくなって来た。 

 

というふうに完全にコミ障らしく、さっさと上がってしまいます。

 

帰るときも「どうせ俺は変ですよ〜だ。人と上手く馴染めませんけどそれがなんなんですか?ぺっ」という感じでちょっといじけて帰ります。

 

しかし、ちらっと少女の方を見て、「あれはいいものを見た。」と一人で満足。

 

七月になり、「私」は伸びた髪を切るために散髪屋に行きます。

 

その時もバリバリコミ障を発揮して(´・ω・`)ショボ-ンしてたら鏡に一人の少女が写っているのに気づきます。

 

「私」は最初気にしていなかったのですが、窓辺にいる少女がちらちらこっちの様子を伺ってるので流石に気になり鏡越しに注意して見つめるようになりました。

 

少女はそれに気づくと、もう「私」の方を見ず、すました顔して窓の外を眺めます。

 

このときの「私」が面白くて、

 

猫と女は、だまって居れば名を呼ぶし、近寄って行けば逃げ去る、とか。

 

って心の中で思って、(σ-`д・´)アッカンベーってしてるんですよね。気持ち的に。

 

少女はそんな「私」の気持ちもよそに、瓶ごと牛乳を飲み干します。

 

そこで「私」は「あの時の美少女だ!」と気づくわけです。

 

ここでも「私」のひねくれ具合が発揮されてます。

 

ああ、わかりました。その牛乳で、やっとわかりました。顔より乳房のほうを知っているので、失礼しました、と私は少女に挨拶したく思った。 

 

やさぐれんな笑

失礼やぞ笑

 

しかし、自分はあの少女の美しい肉体を隅々まで知っている。

そう思うと、「私」は美少女を肉親とさえ思えてきて、思わず笑いかけました。

 

それに対して美少女の反応はガン無視。

 

しかし、「私」はそれにも白痴を感じ、可愛い知り合いが一人出来たと思って満足します。

 

おそらく自分の髪を切っている主人の娘があの美少女なのだろうな〜と思いながら、この物語は、

 

それだけの悪徳物語である。

 

と締められます。

 

悪徳物語ってどういうこっちゃって思って考えてみたんですが、「白痴」の意味がここでは恐らく淫猥、性的な意味合いで取れると思うんですね。

 

ですから、まだ手付かずの美しい美少女のその肉体、暴かれていない秘所を、「私」だけは知っているという優越感を抱いている(しかもその美少女の父と思われる人に髪を切られながら)ことに対する悪徳、悪徳物語なのかなぁ〜と思いました。

割と安直ですが(^^;

 

これ面白かったのでもう少し自分で考え深めてみたいなぁ〜って思います。