日々読書メモ

大学で受けた授業をきっかけに太宰治を好きになりました。最近はもっぱら太宰です。自分が読んだ本の紹介(ネタバレ有)、感想、考察等書いてます。もちろん太宰以外でも書きますよ(^^)京都が好きなのでそれについても書いてます。

「郷愁の太宰治」を読んでみた

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 お久しぶりの更新です!

やっとお盆入ったので溜まってた分更新していきたいと思います(^^)

 

この前友達と京都下鴨神社の古本祭りに行ってきたのですが、そこで別所直樹の

 

「郷愁の太宰治

 

を発見しました。

 

「別所さんは詩人で太宰さんを大変師事していたらしい」くらいの知識はあったんですがこれを読むともう師事どころじゃないのがわかりました…。

 

「この人どんだけ太宰さんのこと好きなん?」

 

って感じです。

 

まだ全部は読めてないので印象に残った所を幾つか紹介します。

 

まず、何故別所さんが太宰のことについて書こうと思ったのか。

 

太宰の所に足しげく通っていた別所さんは太宰から色々な話を聞き多くの言葉を貰いました。

きっと別所さんにとって太宰と過ごした日々というのはかけがえのない日々だったんでしょうね。

 

「ぼくの胸に、いまだに生き残っている言葉の数々を、僕は残しておかねばならぬと思う」

 

と言うように、太宰と過ごしたかけがえのない日々に貰った言葉を後世に残そう、ということで書き始めたんですね。

 

第一部に入る前、「暗い青春の中で」という章で、別所さんは、太宰治という人間はとても優しい人であったと読者に伝えています。

これはこれから太宰の言葉を見る読者に対し太宰の人間性を知ってもらうために書いたんじゃないでしょうか。

 

別所さんの記憶の中にある太宰治はいつまでも優しい人で、それをしっかり知ってもらいたかったんだと思います。

 

「嘘でもいいから、優しい言葉が聞きたい。襖の向うで、べろを出してたっていいのだ。見えなければいいんだ。嘘でもいい。優しい言葉が欲しいんだ。」

愛とは表現だ、とぼくは思った。

 

誰よりも優しかった太宰治が求めたもの。

別所さんの言う「愛とは表現だ」太宰文学の全てが詰まってるのではないでしょうか。

 

太宰の文章はとても表現にこだわっているように思います。

相手の心に直接響く表現を太宰は持っているのです。

だから太宰文学はいつまでも滅びない。

 

他にもとても興味深い記述がいくつもあります。

 

「君も小説を書いてみないか、作家は、いちどは、幼年時代の想い出を書いている。それには、方法があるんだ。みんな、自分をいい子に書きたがるが、それでは面白くない。如何に、自分がいやらしい、きたない子であったか……ということを色々な面で書くんだ。きっと面白いものが出来ると思う」

 

これは別所さんも言及していますが、「思い出」を読むとこの言葉の意味がとてもわかりますね。

「思い出」という作品についてはまだこのブログで書いていないと思うのですが、太宰の幼少の頃をとても陰鬱とした印象で書かれたものです。

太宰は本当に「書くこと」を意識してますね。

 

「ぼくは今、半狂乱で「斜陽」を書いているんですよ。他のことは何も考えられない。もうしばらく待って欲しい」

 

ここも興味深いです。

 

「斜陽」は太宰の代表作の一つですが、やはり太宰はこの作品を命を懸けて書いていたのですね。

 

「斜陽」は過去ブログにも書きましたのでまた読んでみてください↓

「斜陽」を読んでみた - 太宰治が好きになりました

 

しかしここで注目したいのはやはり太宰治本人の人柄ですよね。

最初に太宰はとても優しい人だったということを述べましたがそれが伺えるエピソードが沢山記述されています。

 

例えば、

太宰は読んだ本はみんな売っちゃうって話をしたあと、慌てて別所くんの詩集はちゃんと置いてるよ〜(^^;

って言ったり、

買い物かご持ってるところ見られて照れちゃったり、

飲み歩いてばかりいて仕事をサボってた別所さんに向かって「ちゃんとしろ!」って滅多に怒らないのに心配して怒鳴ったり、

新聞に載ってた太宰の記事を別所さんが大事に持ってて、それを太宰に見せたら恥ずかしがってマッチで「着火(^o^)」ってやって燃やしたり

……と本当に別所さんは太宰のこと大好きで、太宰はとても人間味のある優しい人やったんやな〜ということがわかりました。

 

そろそろこのへんで締めますがとりあえず太宰が優しい人物てあったこと、別所さんは太宰がめちゃくちゃ好きだったこと、ということはわかってもらえたと思います。

まだこれ読んでる途中なので全部読めたら改めてまた書きたいと思うんですが、最後に、第一部で一番印象に残った場面を書いて終わります。

 

「先生は孤独だと言う。けれど、何千、何万という読者が、先生の作品によって救われているのです」

「けれども、そんなものがあったって、ぼくには何の慰めにもなりはしない」