日々読書メモ

大学で受けた授業をきっかけに太宰治を好きになりました。最近はもっぱら太宰です。自分が読んだ本の紹介(ネタバレ有)、感想、考察等書いてます。もちろん太宰以外でも書きますよ(^^)京都が好きなのでそれについても書いてます。

「グッド・バイ」を読んでみた

f:id:yonnsann:20160903234340j:image 

太宰治の遺作、

 

「グッド・バイ

 

読みました。

 

めっちゃ今風で読みやすいし面白かったです。

 

だが!!!!なぜ!!!!こんな中途半端なとこで死んだ!!!!続き気になってしゃーないやろ!!!!

 

本当にこの作品今まで読んだ太宰作品の中で一番今風でギャグ要素強かったです。

 

ブコメ漫画読んでる気分。

 

内容は、

 

商売に手を出し大儲けをしていた田島がそろそろ足を洗おうとするところから物語が始まる。田島は何人もの愛人がいて、その彼女達と別れる決意をする。しかし体裁を気にする癖にヘタレな田島は別れ話も中々持ち出せない。そこである先輩作家に相談したところ、「すごい美人」を妻として連れていけば丸く収まるのではとアドバイスを受ける。そして闇市で取引したことのあるガサツで怪力な女性「キヌ子」の着飾った美しい姿を見、田島は彼女に妻役を依頼する。

 

ざっとこんな話なんですが、殆どこれが全てです。

 

この田島は太宰お馴染みの体裁ばっかり気にするダメ男なんですが、今まで読んだキャラよりもっとコミカルなダメ男です。

 

それがよくわかるのが、あまりにもめちゃくちゃなキヌ子を自分のものにしようと企み彼女の家に訪れた時の出来事。

 

田島は窮して、最もぶざまで拙劣な手段、立っていきなりキヌ子に抱きつこうとした。
グワンと、こぶしで頬を殴られ、田島は、ぎゃっという甚だ奇怪な悲鳴を挙げた。(中略)キヌ子のあの怪力を思い出し、慄然として、
「ゆるしてくれえ。どろぼう!」
とわけのわからぬ事を叫んで、はだしで廊下に飛び出した。

 

酷すぎる(笑)しかもその後

 

ドアの外で、
「あのう、僕の靴を、すまないけど。……それから、ひものようなものがありましたら、お願いします。眼鏡のツルがこわれましたから。」
(中略)はらわたの煮えくりかえるのを覚えつつ、彼はキヌ子から恵まれた赤いテープで、眼鏡をつくろい、その赤いテープを両耳にかけ、
「ありがとう!」
ヤケみたいにわめいて、階段を降り、途中、階段を踏みはずして、また、ぎゃっと言った。

 

もうこれギャグでしょ(笑)

その後とうとうキヌ子に対して凄い丁寧語になるっていう。

 

でも物語はそこで終わっててこの後二人がどうなったかとかわからないんですよ…。

 

気になる。

 

太宰のことやから多分ギャグ調で進みながら終わりは上手く締めると思うねんけど。

 

これってプロットとか残してないの?

 

せめて死ぬならこれ終わらせてからにして欲しかった…。

 

あとキヌ子は今まで出てきた女の子の中で一番むちゃくちゃで活発です。

 

でも凄く魅力的。

 

喋り方も全然女性らしい気品なんてないのになんか可愛い。

 

この子が動くところももっと見たかった…。

 

本当にこれはある意味文句言いたい作品です(笑)

 

でも他の太宰作品と比べたりもっと読み込んだりしてみてこの物語がどんな結末を迎えるのか想像するのも楽しそうですね。

 

でもやっぱ続き気になる…。